根管治療2018.02.11


まだまだ寒い日が続きますが、悪天候と言え、今日あたりは肌に感じる風も随分と春らしくなってきたかなと感じられるようになりました。春の訪れまで本当にもう少し、体調管理には十分注意して過ごしましょう。

さて、今日のトピックは「根管治療」です。根っこの治療だとか、歯の神経の治療だとか言われる、所謂一般歯科診療で最も時間がかかる部分です。今日はこの「根管治療」について、少しお話ししましょう。

虫歯は純粋な感染症です、虫歯を長く放置した場合、細菌の出す酸により歯質は大きく侵食を受け、やがて感染は神経にまで及ぶようになります。
イメージでいうと下の絵の真ん中のようになります。この時点であれば感染が及んでいる神経の部分は非常に限局していると考えられ、根管治療を行う際も、そんなに長い時間はかからないと言えますが、右の図のようになるとまた一つ違うステージに入ってしまいます。

※picture quoted fromhttps://www.drkellislate.com/causes-tooth-decay/

問題は、感染した神経をさらに放置した場合で、長い時間感染に晒された歯牙の先端には、膿を内包する袋(嚢胞)が形成され、この治療は、非常に時間がかかる場合があります。症例によっては数年にわたるフォローアップも必要となる場合があり、そういった症例は決して珍しいものではありません。画像のような感じです。

※picture quoted from http://www.pathologyoutlines.com/topic/mandiblemaxilladentalgranuloma.html

 

嚢胞は一定の大きさで止まってくれるわけではなく、大きくなり続けるので、場合によっては歯の大きさを大きく超え、抜歯を行わなければならない事もあります。つまりなるべく早く治療をスタートできれば、治療にかかる期間も短く、歯を残せる可能性が高くなります。

では実際に根管治療とはどのようなことをするかご説明します。
根管治療の流れを説明する動画を発見したので添付させて頂きます。

https://youtu.be/7B0zFnBgr7I

大きな流れとしては以下のようになります

1、根管開口部を露出させる
2、虫歯によって侵食された歯質を除去する
3、根管一本一本の内側をヤスリのような器具で広く開けて行く
4、根管内を消毒する
5、綺麗になった根管内を充填材で蓋をして、汚れが入る隙間をなくす。
日本の保険診療において過去数十年に渡って行われてきたこのconventional な根管治療ですが、数年前に大きなgamechangeとなるシステムが現れています。実はこの器具のご紹介がしたかったので、予備知識として今回は非常に軽めに根管治療について書いてみました。
次回は根管治療の器具についてです。

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